サウルの没落は、非常に早く進行しました。この箇所では、サウルが最も低い地点に達したことを見ることができます。
サウルは、預言者や祭司、また夢を通して神様の御声を聞くことができなかったため、霊媒を通して助けを求めました。その霊媒を通じて、サムエルの霊と話したいと願ったのです。
けれども、聖書学者たちの間では、その霊が本当にサムエルだったのか、それとも悪霊だったのかについて議論が分かれます。
私個人の意見ですが、この時、神様は霊媒の働きを止め、ご自身の許可によってサムエルの霊を送られたのだと思います。
つまり、霊媒の力でサムエルが現れたのではなく、神様の御心によるものだったのです。
しかし、その時、神様はサウルを祝福されませんでした。むしろ、神様はサウルを裁かれたのです。神様は霊媒や占いを全く認められないからです。
この箇所を読むと、意図的な背きの結果について思い起こさせられます。
一つ目は、神様が私たちにもう話されなくなることです。
なぜでしょうか。それは私たち自身が自分の耳を閉じてしまうからです。その結果、神様は私たちにもう語られません。
サウルは何度も神様の声と命令を無視しました。だから、最終的に神様はこう言われたのです。「もういい。私に聞きたくないのであれば、私はもう語らない。」
二つ目は、私たちが恐れ始めることです。
どうしてでしょうか。私たちが神様の知恵に頼らずに、自分の知恵に頼り始めるからです。けれども、すぐに私たちの知恵が足りないことに気付きます。特に、私たちの状況がコントロールできなくなる時です。
サウルもそのような状態でした。神様の命令を無視した後、サウルは自分ではコントロールできない問題に直面しました。神様の助言が必要でしたが、神様から何も聞くことができませんでした。
三つ目は、罪が罪を生み出すことです。
サウルの場合、必死になりながらも、占いが悪であることを知っていたにもかかわらず、霊媒に相談しました。
しかし、神様から何も言われなかったため、占いを神様が裁かれることを知っていても、その人に助けを求めました。
最後の点は、背きは死に導くということです。
ローマ6:23で次のように書かれています。
罪から来る報酬は死です。
だから、その次の日、サウルは命を落としました。
サウルのようになることを避けるにはどうしたら良いでしょうか。
神様に対して柔らかい心を保つことです。神様が私たちに最善を望んでおられることを信じましょう。そして、神様の言葉に従いましょう。
さらに、もし罪を犯してしまったなら、すぐに悔い改めましょう。自分の罪を告白し、神様の言葉に従う助けを求めて祈りましょう。
ヨハネは次のように書いています。
もし、私たちが自分の罪を言い表すなら、神は真実で正しい方ですから、その罪を赦し、すべての悪から私たちをきよめてくださいます。(第一ヨハネ1:9)
不思議なことですが、ダビデの罪(つまり、姦淫と殺人)とサウルの罪を比較すると、サウルの罪の方がそれほど悪いようには見えません。
その違いは何でしょうか。それはサウルが決して悔い改めなかったため、死に至ったことです。その一方、ダビデは悔い改めたことで、神様に赦されました。
あなた自身はどうでしょうか。罪を犯した時、どのように対応しますか。
