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ローマ人への手紙

信じることを拒否すると

ローマ人への手紙10:16-11:10

以前の記事で、私は救いの逆説について述べました。つまり、救いの道は簡単でありながら、同時に難しいのです。

私たちがただ神様を信じ、イエス様の十字架の働きを信じるなら、救われます。それでも、多くの人々はそうしません。ユダヤ人はその代表的な例です。

そこで、パウロはこう語りました。

しかし、すべての人が福音に従ったのではありません。「主よ。私たちが聞いたことを、だれが信じたか」とイザヤは言っています。(ローマ人への手紙10:16)

それはユダヤ人だけの問題ではありません。この世の多くの人々も同じ問題を抱えています。今なお、パウロの言葉は世の人々に当てはめることができます。

「主よ、私たちが聞いたことを、誰が信じたでしょうか。」

そして、パウロは重要な真理を語ります。

ですから、信仰は聞くことから始まります。聞くことは、キリストについてのことばを通して実現するのです。(ローマ人への手紙10:17)

要するに、人々が救われるためには、二つのことが必要です。人々は福音を聞かなければならず、また、そのメッセージを信じなければなりません。

では、なぜユダヤ人や他の人々は信じないのでしょうか。イエス様は彼らに語られなかったのでしょうか。それとも、彼らは聞かなかったのでしょうか。そうではありません。

パウロはこう書きました。

では、私は尋ねます。彼らは聞かなかったのでしょうか。いいえ、

むしろ、「その響きは全地に、そのことばは、世界の果てまで届いた」のです。(18)

パウロは詩篇19:4を引用しました。その詩篇では、詩人が「天は神の栄光を語り告げる」と歌っています。

パウロはこの詩篇を福音に当てはめ、福音が世界の果てまで届いたことを示します。

そして、パウロは問いかけます。

では、私は尋ねます。イスラエルは知らなかったのでしょうか。(19)

彼らは知っているはずでしたが、結局、神様の言葉を理解できなかったようです。

そして、パウロは救いの皮肉について語ります。神様はまずユダヤ人にご自身を現されましたが、彼らは神様に背を向けました。そこで、神様は異邦人のもとへ行かれ、異邦人は信じたのです。

だから、パウロはイザヤの言葉を引用します。

わたしを探さなかった者たちにわたしは見出され、わたしを尋ねなかった者たちに自分を現した。(20)

この箇所では、神様は異邦人について語られました。異邦人はそれぞれ自分の道を歩み、神様を全く求めていませんでした。

それにもかかわらず、神様はご自身を彼らに現されました。その結果、異邦人は神様を信じるようになったのです。

とはいえ、ある意味では、この箇所をユダヤ人にも当てはめることができます。彼らも神様を求めてはいませんでした。彼らはエジプトで奴隷であった時、偶像を礼拝していました(ヨシュア24:14)。

それでもなお、神様はご自身を彼らに現されました。では、彼らの反応はどうだったでしょうか。

神様は彼らについて、こう言われました。

わたしは終日、手を差し伸べ た。不従順で反抗する民に対して。(21)

では、なぜ彼らは信じなかったのでしょうか。

彼らはいくつもの奇跡を目の当たりにしました。神様はエジプトに数々の災害を送り、紅海を分け、砂漠でマナを与えられました。ユダヤ人には信じる理由が十分にあったのです。

そして、イエス様が来られました。イエス様も多くの奇跡を行い、悪霊を追い出し、卓越した知恵を教えられました。けれども、彼らはイエス様を拒絶しました。

なぜでしょうか。

ほかの者たち(つまり、神様を信じないユダヤ人たち)は頑なにされたのです。

「神は今日に至るまで、彼らに鈍い心と見ない目と聞かない耳を与えられた」と書いてあるとおりです。(11:7-8)

パウロはイザヤ書29章を引用しました。私はこの箇所についてさらに説明しますが、その要点は、ユダヤ人が先に自分の目を閉じたことにあります。そこで、神様は彼らにこう言われました。

「あなたは見たくないのですか。では、あなたは霊的な盲人になれ。」

ユダヤ人は何百年もの間、神様の御業を目の当たりにし、み言葉を聞いてきました。ところが、どうしても信じることができませんでした。そのため、神様は彼らを自らの不信へと引き渡されました。

福音を聞く者は、この危険に直面します。もし私たちがずっと心を頑なにし続けるなら、神様は私たちにこう言われるかもしれません。

「信じたくないなら、信じるな。」

そして、私たちは不信の結果を受けることになります。それは、死です。

だから、救いのメッセージに対して心を閉ざさないでください。そうしなければ、霊的な目が見えなくなり、やがて永遠の死へと向かうことになるでしょう。

むしろ、心を開きましょう。イエス様とその福音だけが、あなたを救うのです。

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