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マタイの福音書 マタイ2

王の到着のため、恐れ惑う

クリスマスの時、多くの人はイエス様を飼葉おけに眠る赤ちゃんとして思い浮かべます。そのイメージを好む人が多いのは、イエス様が優しく、何も求めず、ただ眠っているように見えるからでしょう。

けれども、イエス様はもはや飼葉おけに眠る赤ちゃんではありません。イエス様は王の王、主の主です。そして、いつか私たちはそのことを認めなければなりません。

この箇所を読むと、一つのことが目を引きます。それは、イエス様の誕生の知らせに対するヘロデ王とユダヤ人の反応です。

ある日、東方の博士たちがエルサレムにやって来ました。

彼らは誰だったのでしょうか。様々な説がありますが、メディヤ人の祭司たちであった可能性があります。(メディヤ人は、現在のイランの地域に住んでいました。)

彼らは占星術や天文学に精通し、バビロン帝国やペルシャ帝国では、しばしば王の助言者を務めていました。さらに、ペルシャでは王位継承の際に、彼らの承認が必要でした。

ダニエル書によると、バビロンにおいてダニエルは、呪法師、呪文師、カルデヤ人、星占いたちの長となりました。

多くの聖書学者は、ダニエルの影響により、この博士たちが将来来るユダヤ人の王についての預言を知っていたと考えています。さらに、ダニエルはその王がいつ現れるのかを予言しました。ダニエル書9章

そのため、博士たちは王の到来のしるしを待ち続けていました。そして、ある夜、彼らは王の星を見ました。

この星が何であったかは誰にも分かりません。このことについても、さまざまな意見があります。

いずれにせよ、彼らはその星を見た瞬間、エルサレムへ向かい、その王について尋ねました。

ところが、誰もそのことを知らなかったため、博士たちは非常に驚きました。さらに、王やユダヤ人の反応は、驚くべきものでした。

それを聞いて、ヘロデ王は恐れ惑った。エルサレム中の人も王と同様であった。(3)

なぜ、ヘロデは恐れ惑ったのでしょうか。

一つ目の理由は、ユダヤ人の目には、彼が本当の王ではなかったことです。なぜなら、彼はダビデの子孫ではなく、ヤコブの系図にさえ属していませんでした。彼の血筋はエサウの系統から来ていました。

そのため、ユダヤ人は彼を真の王として認めませんでした。

二つ目の理由は、彼が自分の地位に対して極めて嫉妬深かったことです。権力を守るために、彼は自分の息子たちですら殺してしまいました。

では、なぜユダヤ人たちは恐れ惑ったのでしょうか。それは、彼らがヘロデの性格をよく知っていたからです。彼の反応は、容易に予測できました。

あなたもこの話をよく知っているかもしれません。ヘロデは博士たちに、この王を見つけるように頼みました。そして、「私も行って拝みたいから」と言いました。

博士たちはイエス様を見つけましたが、ヘロデに報告しようとしたとき、神様が夢を通して彼らに警告され、博士たちは別の道から帰りました。

ヘロデはそのことを知り、ベツレヘムにいる2歳以下の男の子をすべて殺すように命じました。

なぜでしょうか。博士たちの話によれば、2年ほど前にその星が現れたからです。(多くの人が思っているのとは違い、イエス様が生まれて2年後に博士たちはエルサレムに到着しました。)

しかし、神様はヨセフにヘロデの企みについて警告されたため、彼らはエジプトへ逃れました。

もう一度、ヘロデとユダヤ人の反応について考えてみてください。彼らは王の誕生を聞いたとき、恐れ惑いました。

今でも、多くの人々はイエス様を単なる赤ちゃんとしてではなく、自分たちの忠誠を求める王として見たとき、戸惑いを感じます。

ある人は、ヘロデのように、自分の心の王座をイエス様に譲りたくないため、怒り、反抗的な態度を取ります。彼らは自分の人生を支配し続けたいのです。

イエス様に従うことで、周囲の人がどう思うかを気にする人もいます。家族や友人から拒絶されることを恐れます。

けれども、ある日、「イエスの御名によって、すべての人はひざをかがめ、すべての口が『イエス・キリストは主である』と告白します。」(ピリピ2:10-11)

喜びをもってそう言う人もいれば、歯ぎしりしながら言う人も、恥じながら言う人もいるでしょう。しかし、すべての人がイエス様を王として認めるのです。

それならば、今こそ、喜びをもってイエス様を王として認めるほうが良いと思いませんか。

あなたの王は誰でしょうか。