私は税金を支払うのが大嫌いです。毎年3月に確定申告を書くのはとても大変です。その時に少し返金はされるものの、6月になると税金の負担が非常に大きくなります。
私はマンションを購入したため、毎年その税金を支払わなければならない上に、市民税や県民税も負担しなければなりません。
税金を支払うのが好きな人などいないでしょう。でも、イエス様の時代ではユダヤ人たちは特に支払いたがりませんでした。それは、彼らがイスラエルを征服していたローマ帝国に税を納めなければならなかったからです。
そこで、パリサイ人たちとヘロデ党の者たちは、イエス様を罠に陥れるための完璧な質問を思いついたのです。
彼らはこう尋ねました。
先生。私たちは、あなたがお話になること、教えになることが正しく、またあなたが人を分け隔てせず、真理に基づいて神の道を教えておられることを知っています。
ところで、私たちがカエサルに税金を納めることは、律法にかなっているでしょうか、いないでしょうか。(ルカ20:21-22)
もしイエス様が「税金を払わなくてよい」と言えば、ヘロデ党の者たちはその言葉をローマ帝国に伝え、イエス様は反逆者として捕らえられたでしょう。
一方で、イエス様が「税金を払うべきだ」と言えば、ユダヤ人の間でイエス様の人気は失われてしまったかもしれません。
ところが、イエス様は彼らの意図をよく知っておられました。そこで、イエス様は再び彼らの質問に別の質問で答えられたのです。
まず、イエス様は彼らに税金を支払うための銀貨を見せてくれるよう頼みました。そして、イエス様は彼らにこう尋ねられました。
だれの肖像と銘がありますか。(ルカ20:24)
彼らは、「カエサルのものです」と答えました。
すると、イエス様はこう言われました。
では、カエサルのものはカエサルに、神のものは、神に返しなさい。(ルカ20:25)
イエス様が意味されたのは何だったでしょうか。
「あなたたちはカエサルのお金を使っていますね。そのお金を使うということは、そのお金がカエサルに属するものだという証拠ではありませんか?だから、カエサルに属するものはカエサルに返しなさい。」
けれども、イエス様は続けてこう言われました。
「でも、あなたたちは、もっと大切なことを覚えていなくてはいけません。神様に属するものは神様に返しなさい。」
この言葉を通して、イエス様はローマ帝国の主張を巧みに論破すると同時に、ユダヤ人たちに重要な教訓を教えられました。
ローマ帝国は、カエサルが神であると主張していました。実際、その銀貨にはそのような言葉が刻まれていました。しかし、イエス様はカエサルと神様を明確に区別されました。
「カエサルという一人の人間には、彼に属するものを返しなさい。けれども、真の神には、神に属するものを返しなさい。」
私はイエス様のこの2つ目のポイントについてお話ししたいと思います。ローマ帝国の銀貨にカエサルの肖像と銘が刻まれていたように、私たちにも神様の肖像と銘が刻まれています。
聖書によれば、神様は人を神のかたちとして創造されました。(創世記1:26-27)
そして、パウロはこう言っています。
あなたがたが、私たちの奉仕の結果としてのキリストの手紙であることは、明らかです。それは、墨によってではなく生ける神の御霊によって、石の板にではなく人の心の板に書き記されたものです。(第二コリント3:3-4)
神様はご自身の名前を私たちの心に記し、私たちが神様に属していることを明確にしてくださいました。時には、私たちに刻まれた神様の肖像が、私たちの罪によって歪んでしまうことがありますが、パウロはこう書いています。
私たちはみな。。。鏡のように主の栄光を映しつつ、栄光から栄光へと、主と同じかたちに姿を変えられています。これはまさに、御霊なる主の働きによるのです。(第二コリント3:18)
それでは、私が言おうとしているのは何でしょうか。
私たちは神様に属しています。だから、私たちは神様に属するものをお返ししなければなりません。それは単なるお金ではありません。それは私たちの命そのものです。
あなたは神様に属するものを、神様にお返ししますか。