さまざまな理由から、日本でもアメリカでも、多くの人々が結婚を二十代後半から三十代になるまで後回しにしています。
ある意味、それは良いことかもしれません。私の友人の中には、19歳や20歳で結婚した人もいましたが、私の考えでは、それは少し若すぎるように思えます。
(とはいえ、その友人は今も結婚生活を続けているので、彼らにとっては早く結婚することが良い選択だったのでしょう。)
いずれにせよ、私たちは皆異なる状況にあります。ある人にとっては早い結婚が良い選択となる場合もあれば、別の人にとっては待つ方が適していることもあります。この箇所で、パウロはその点を教えています。
コリントの教会では、ある婚約者たちが、結婚すべきか、待つべきか、それとも結婚の予定を取りやめるべきかについて悩んでいたようです。
結婚すべきか、それとも後回しにすべきかを考える人に対して、パウロは三つの重要な視点を示しています。
第一の視点は、結婚に対するあなたの態度です。つまり、あなたには本当に結婚に対する強いコミットメントがあるでしょうか。もしかすると、すでに逃げ道を探しているのではないでしょうか。
あなたは、すでにこのように考えているかもしれません。「もし私たちの結婚がうまくいかないなら、離婚すればいい。」
しかし、もし結婚に逃げ道を求めているなら、結婚しない方がよいでしょう。なぜでしょうか。
イエス様は結婚が生涯続くものであると教えられました。
そして、パウロは次のように書いています。
すでに結婚した人たちに命じます。命じるのは私ではなく主です。妻は夫と別れてはいけません。
もし別れたのなら、再婚せずにいるか、夫と和解するか、どちらかにしなさい。また、夫は妻と離婚してはいけません。(コリント人への手紙第一7:10-11)
これは、マタイ19:3-12に記されたイエス様の教えをもとにしたパウロの応用です。イエス様の弟子たちでさえ、その教えを聞いたとき驚きました。彼らは、「それなら、結婚しない方がよいでしょう」と言いました。
もしあなたがこの弟子たちのような考えを持っているなら、結婚しない方がよいでしょう。あなたの態度が変わるまで、結婚を後回しにすべきです。そして、もしあなたの態度が変わらないなら、結婚しない方がよいでしょう。
さらに、もう一つ考慮すべきことがあります。それはあなたの状況です。コリントの人々は「差し迫っている危機」のゆえに、パウロが結婚を後回しにすべきだと勧めました。
ここで、パウロはその理由を説明しています。
(この大変な状況にいる)結婚する人たちは、身に苦難を招くでしょう。私はあなたがたを、そのような目にあわせたくないのです。(28)
コリントの人々がどのような危機に直面していたのかは明確ではありませんが、もしかすると迫害の影響を受けていたのかもしれません。
いずれにせよ、パウロの根本的な教えは、状況によっては結婚を後回しにした方がよい場合もあるということです。
たとえば、あなたの経済状況があまり良くないかもしれません。もし経済的に不安定であれば、結婚生活は困難を伴う可能性があります。実際、多くの結婚は経済的な問題によって破綻してしまいます。
もう一つの重要な要素は、あなたの感情的な負担や精神的な重荷です。もしかすると、過去に元恋人から虐待を受けた経験があるかもしれません。また、幼少期に父親からの虐待を経験したかもしれません。
こうした問題は、あなたの結婚生活に影響を与える可能性があります。そのため、感情的・精神的な問題を乗り越えるまで、結婚を後回しにする方が賢明かもしれません。
さらに、もう一つ考慮すべきことがあります。性的な誘惑を避けるためだけに結婚するのは、一見すると誤った選択に思えるかもしれません。もちろん、それが最良の結婚理由ではないことは明らかです。けれども、多くの人々がその誘惑と戦い続けています。
だから、パウロは次のように書いています。
結婚していない人とやもめに言います。私のようにしていられるなら、それが良いのです。
しかし、自制することができないなら、結婚しなさい。欲情に燃えるより、結婚するほうがよいからです。(8-9)
つまり、もしあなたの恋人への欲望があまりにも強く、自制できないと感じるなら、たとえ状況が理想的でなくても、結婚した方がよいでしょう。
けれども、まだ自制できるなら、厳しい状況が改善されるまで、結婚を後回しにする方が賢明です。
早すぎる結婚は、大きな困難を伴うことがあります。しかし、もし結婚に逃げ道を求めず、配偶者に対する真のコミットメントを持っているなら、神様の恵みによって、どんな問題でも乗り越えることができるでしょう。
だからこそ、結婚を決断する前に、最も大切な問いかけは次のようになります。
「逃げ道を探すことなく、結婚への確かなコミットメントを持って、私は自分自身を相手に捧げることができるだろうか。」
