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マルコの福音書 マルコ12章 ルカの福音書 ルカ21章

神様が何を求めておられるか

パリサイ人たちを厳しく責めた後、イエス様は少し座り、神殿で献金箱を通り過ぎる人々をそっと見ておられました。

金持ちたちもやってきて、とても目立つ方法で大金をその献金箱に入れました。

その様子を見ると、もしかするとイエス様の顔は渋くなったかもしれません。人々が次々とその献金箱にお金を入れていく間に、イエス様の表情はだんだんと暗くなったのでしょう。

けれども次に、一人の貧しいやもめがその献金箱の隣に来て、他の人々と違い、レプタという硬貨を二枚入れました。

レプタはほとんど価値がない硬貨でした。おそらく、二枚のレプタで小麦粉を少し買い、小さなパンを焼くことができたでしょう。それでも彼女は、そのレプタを献金箱に捧げました。

もしかすると、彼女は他の人々が多くの献金をしているのを見て、自分が献金したとき、少し恥ずかしさを感じたかもしれません。それでも、彼女は神様への愛と感謝の心を込めて、そのお金を捧げました。

その姿を見たイエス様の表情は、明るくなったに違いありません。そして、イエス様は彼女を指し示し、弟子たちにこう言われました。

まことに、あなたがたに言います。この貧しいやもめは、献金箱に投げ入れている人々の中で、だれよりも多くを投げ入れました。(マルコ12:43)

弟子たちはそれを聞いて驚いたに違いありません。おそらく、彼らはイエス様にこう言ったでしょう。「どういうことでしょうか、イエス様。彼女はほんの少ししかお金を入れなかったのに。」

しかし、イエス様はこう言われました。

皆はあり余る中から投げ入れたのに、この人は乏しい中から、持っているすべてを、生きる手立てのすべてを投げ入れたのですから。(マルコ12:44)

パリサイ人たちと律法学者たちを批判された後に、イエス様がそのやもめを褒められたことは偶然ではなかったと思います。イエス様は彼らを偽善者と呼ばれました。なぜなら、彼らの行為は周囲の人々を感動させるためのものであったからです。

だからこそ、イエス様はそのやもめをご覧になったとき、弟子たちにこう言われました。「見なさい。神様はこのような人を探しておられるのです。」

では、神様はどのような人を探しておられるのでしょうか。神様に属する心を探しておられるのです。

彼女は、周囲の人々が自分についてどう思っているか全く気にしていませんでした。また、彼女は自分の持ち物に執着していませんでした。

むしろ、彼女は神様にこう申し上げたのです。「私はあなたのしもべです。私にはほんの少ししかありませんが、それをあなたにお捧げします。」

あなたはどうでしょうか。あなたはそのような心を持っているでしょうか。イエス様があなたをご覧になったとき、「この人の心は神様に属している」と言われるでしょうか。