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ルカの福音書 ルカ2章

すべてを治めておられる神

ルカは、イエス様の出産について記したとき、その背景についても教えています。それは、皇帝アウグストの時代のことでした。彼はローマ帝国の支配者でした。

アウグストは、マルクス・アントニウスとクレオパトラの軍隊を打ち破り、ローマ帝国初の皇帝となりました。そして、彼は自らの権力を行使してローマに平和をもたらしました。このとき、パクス・ロマーナ(ローマの平和)が始まりました。

けれども、彼が知らなかったのは、自分に優る王がすぐに生まれようとしていたことです。彼はローマ帝国を治めていると思っていましたが、より強いお方が彼を通して計画を進めていたことには気づいていませんでした。

皇帝アウグストは全世界の住民が登録されるよう命じました。おそらく、それは税金のためだったのでしょう。彼の命令によって、すべての人々が出身地に戻り、登録する必要がありました。

ヨセフとマリヤは、どのように感じたのでしょうか。多くの人は、彼らがその勅令を聞いた時、マリヤの妊娠が10ヶ月ほどであったと考えます。それはその通りかもしれませんが、真実はわかりません。

いずれにせよ、ヨセフは「神様、どうして今この勅令が出たのでしょうか。今行けば、マリヤにとって本当に大変です」と考えたかもしれません。

しかし、神様には良い理由がありました。おそらく、一つの理由は、ナザレでヨセフとマリヤについて多くの噂が広まり、本当に大変だったからでしょう。彼らは結婚していないのに、マリヤが妊娠していたためです。

もう一つの理由がありました。その登録のために、予言者ミカが何百年前に予言した通り、イエス様はベツレヘムで生まれました。(ミカ書5:2)

皇帝アウグストは、自分がすべてを支配していると思っていましたが、実際には神様が治めておられました。皇帝アウグストのパクス・ロマーナ(ローマの平和)は約200年続きましたが、最終的にアウグストが築いたものは滅びました。

一方で、イエス様を通して、神様は永遠の王国を始められました。その王国を打ち倒すことができる者はだれもいません。そして、いつの日か、この世に本当の平和が訪れ、その平和は永遠に続きます。

あなたはどうでしょうか。すべてをコントロールしていると思いますか。つまり、自分の人生を完全に掌握していると思いますか。

どうか、自分より偉大な方がいることを忘れないでください。もし自分の知恵と努力だけで人生を築くなら、最終的にはその築いたものが崩れ去るかもしれません。

また、神様が本当にこの世を治めていることに疑問を持ったことはありますか。あなたは、なぜ神様がトラブルをあなたの人生に許されるのか、問いかけることがありますか。

神様を信頼し続けてください。なぜなら、神様はご自身の計画を実現されているからです。私たちにはその計画が見えないこともあるかもしれませんが、いつかその計画が理解できる日が来るでしょう。

その日には、天使たちとともに、私たちも声を上げて神様を賛美することでしょう。

いと高き所に、栄光が、神にあるように。地の上に、平和が、御心にかなう人々にあるように。(ルカの福音書2:14)