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コリント人への手紙第二

別のイエス、異なる霊、異なる福音

この箇所では、私たちは重要な真理を学びます。それは何でしょうか。

人々が自分をイエス様の代表者だと主張するとき、御霊を持っていると主張するとき、また福音を伝えると主張するとき、私たちはその主張をただ受け入れるべきではありません。

なぜでしょうか。その理由は、パウロがコリントの人々に語った言葉の中に見いだせます。

蛇が悪巧みによってエバを欺いたように、あなたがたの思いが汚されて、キリストに対する真心と純潔から離れてしまうのではないかと、私は心配しています。

実際、だれかが来て、私たちが宣べ伝えなかった別のイエスを宣べ伝えたり、あるいは、あなたがたが受けたことのない異なる霊や、受け入れたことのない異なる福音を受けたりしても、あなたがたはよく我慢しています。(コリント人への手紙第二11:3-4)

パウロの懸念は、コリントの人々がエバのように欺かれ、キリストから離れてしまうことです。どうしてそのようなことが起こり得るのでしょうか。

それは、彼らが別のイエス、異なる霊、異なる福音に惑わされるからです。

あなたはこう思うかもしれません。「ちょっと待って。ただ一つのイエス、ただ一つの聖霊、ただ一つの福音だけだと思っていたけど。」

その通りです。しかし、同時に、偽のイエス、偽の御霊、偽の福音が数多く存在します。人々を欺く働き人、そしてキリストの使徒になりすました偽使徒たちが、その偽の福音を教えているのです。(13)

パウロによれば、私たちはそのことに驚くべきではありません。なぜでしょうか。

サタンでさえ光の御使いに変装します。ですから、サタンのしもべどもが義のしもべに変装したとしても、大したことではありません。

彼らの最後は、その行いにふさわしいものとなるでしょう。(14-15)

パウロはすでに自身の時代にその現象を目の当たりにしていました。コリントの教会では、一部の人々がパウロの教えに反対し、さらにはパウロ自身にも反対したため、信徒たちは混乱してしまいました。

また、新約聖書の中には、偽教師が誤った教えを広めた例が数多く記されています。

ある者たちは、別のイエスについて教えました。彼らによれば、そのイエスは人間としてこの世に来ていないというのです。(第二ヨハネ1:7)

彼らは異なる霊の力によって教えていたため、ヨハネは教会に警告を発しました。

愛する者たち、霊をすべて信じてはいけません。偽預言者がたくさん世に出て来たので、その霊が神からのものかどうか、吟味しなさい。(第一ヨハネ4:1)

彼らは異なる福音を宣べ伝えました。彼らによれば、本当のクリスチャンはユダヤ人の律法に従わなければなりません。(ガラテヤ人への手紙を読んでください。)

今もなお、偽のイエスがいます。モルモン教によれば、イエスはサタンの兄弟です。また、モルモン教によれば、イエスは数百万の神々の一人です。

エホバの証人によれば、イエスは実際には御使いのかしらミカエルです。

偽の聖霊も存在します。エホバの証人によれば、聖霊は人格を持たない力です。モルモン教によれば、聖霊はイエスと同じく数百万の神々の一人です。

偽の福音もあります。エホバの証人とモルモン教によれば、救いは信仰と恵みだけではなく、私たちの良い行動に基づくものです。

もちろん、エホバの証人やモルモン教の人々は優しく誠実です。私たちよりも敬虔に見えるかもしれません。

しかし、彼らは別のイエス、異なる霊、異なる福音を伝えているため、自身が偽教師や偽のクリスチャンであることを証明してしまっています。

それでも、彼らの言葉は魅力的に聞こえるため、多くの人々が惑わされてしまいます。

誤解しないでください。彼らは意図的に人々を欺こうとしているわけではありません。むしろ、彼ら自身が欺かれてしまったのです。

けれども、私たちは惑わされないように、「私はイエス様を信じる。福音を信じる」と主張する人の言葉を吟味せずに受け入れてはいけません。

むしろ、私たちは聖書によって彼らの教えを吟味すべきです。なぜなら、聖書こそが真理の基盤だからです。

子供のように考えず、軽々しく騙されないようにしましょう。むしろ、パウロの言葉に従いましょう。

ただし、すべてを吟味し、良いものはしっかり保ちなさい。テサロニケ第一5:21