この手紙において、ペテロは、イエス様のために迫害や苦しみに直面しているクリスチャンたちに語りかけています。
最初にペテロは、ポントス、ガラテヤ、カパドキア、アジア、ビティニアの教会に対し、一つのキリストのからだとして演説しました。そして、彼らが「生ける石」として神様の霊の家に築き上げられていることを思い起こさせました。
その後、ペテロは個々のクリスチャンたちに語りました。特に、クリスチャンの奴隷たち、妻たち、そして夫たちに向けて具体的に話をしました。
そして、ペテロは再び教会全体に向けて語りかけ、一つのキリストのからだとしての立場を強調しました。
けれども、5章では、おそらくペテロは個々の教会に対して演説したのだと思われます。ペテロは、ある教会が苦しみに直面したとき、それにどう反応すればよいかについて語りました。
リーダーたちには重要な役割があります。彼らは教会の人々の模範だからです。特に試練の時には、彼らは羊飼いとして教会の人々の世話をしなければなりません。(ペテロの手紙第一5:2)
試練の時には、自分のことだけを考えるのは簡単ですが、リーダーたちはそうしてはなりません。また、彼らは傲慢な態度で教会の人々を支配してはいけません。むしろ、リーダーたちは自分の羊とそのニーズを自分よりも優先しなければなりません。(3)
おそらく、ペテロがこの言葉を書いたとき、預言者エゼキエルの言葉を思い浮かべていたのかもしれません。
エゼキエル書34章では、神様がイスラエルのリーダーたちを責められています。それは、神様が彼らにイスラエルの民を導くよう命じられたにもかかわらず、そのリーダーたちは自分のために生きていたからです。
だから、おそらくペテロはそれを覚えていて、クリスチャンのリーダーたちに訓戒を与えていました。
「その羊飼いたちの模範に従ってはいけません。自分の群れを牧しなさい。なぜなら、神様はあなたの責任を問われるからです。」
しかし、ペテロは忠実なリーダーたちを励まし、次のように語りました。
そうすれば、大牧者が現れるときに、あなたがたは、しぼむことのない栄光の冠をいただくことになります。(4)
そしてペテロは若い人々に「長老たちに従いなさい」と命じました。(5)
若い人々にとって、自分がすべてを知っていると思い、リーダーたちを批判するのは簡単なことです。けれども、ペテロはこう語ります。
「あなたのリーダーたちに従いなさい。たとえ彼らの意見がいつも正しいわけではなくても、従いなさい。あなたのプライドが原因で教会を分裂させてはなりません。」
そして、ペテロはこう言いました。
みな互いに謙遜を身に着けなさい。「神は高ぶる者には敵対し、へりくだった者には恵みを与えられる」のです。
ですから、あなたがたは神の力強い御手の下にへりくだりなさい。神は、ちょうど良い時に、あなたがたを高く上げてくださいます。
あなたがたの思い煩いを、いっさい神にゆだねなさい。神があなたがたのことを心配してくださるからです。(5-7)
試練の時、自分のプライドのために人々が喧嘩するのは容易なことです。けれども、ペテロはこう促しました。
「兄弟たちや姉妹たちと話すとき、謙遜な態度を取りなさい。特に神様の御前で謙遜でありなさい。そうすれば、神様はあなたを試練から救い出し、時が来るとあなたを高く上げてくださいます。」
私たちはすべての問題を自分の力で解決することはできません。そのため、神様の御前で謙遜な態度を取るべきです。そして、私たちのすべての思い煩いを神様に委ねるべきです。なぜなら、神様は私たちを深く愛しておられるからです。
しかし、多くの場合、私たちはそうすることができず、平和を見いだせません。私たちのプライドによって、「この問題を自分で対処できる」と思い込むことで、必要のない負担を背負ってしまうのです。
けれども、神様は私たちにこう語られます。「私に信頼しなさい。へりくだり、その問題を私に委ねなさい。そうすれば、私はその問題を解決します。」
また、ペテロは教会に訓戒します。試練を通してサタンは教会を滅ぼそうとします。
しかし、ペテロはこう語ります。
「堅く信仰に立ちなさい。あなたは苦しんでいるかもしれませんが、それはあなたたちだけではありません。あなたたちの兄弟たちと姉妹たちも共に苦しんでいます。だからこそ、互いに励まし合いなさい。」
そして、ペテロはこう言います。
あらゆる恵みに満ちた神、すなわち、あなたがたをキリストにあって永遠の栄光の中に招き入れてくださった神ご自身が、あなたがたをしばらくの苦しみの後で回復させ、堅く立たせ、強くし、不動の者としてくださいます。
どうか、神のご支配が世々限りなくありますように。アーメン。(10-11)
その言葉で、ペテロはこの手紙の冒頭の言葉を繰り返して述べています。神様はあなたを召されました。あなたが御子のようになるために、神様は毎日あなたを精錬し、清めておられます。
そのプロセスの一部が、あなたの苦しみなのです。けれども、神様の目的は、あなたがイエス様のために生きることにあります。良い時も、試練の時も、あなたはイエス様のために生きるべきです。
ただし、覚えておいてください。それを自分の力で成し遂げなければならないわけではありません。むしろ、神様の御前でへりくだりましょう。そして、神様に信頼しましょう。
そうすることで、あなたは堅く立ち、強くなり、不動の者となるでしょう。それは、すべて神様の栄光のためです。
キリストにあるあなたがたすべての者に、平安がありますように。(14)