今日、私たちは「使徒の働き」の最後の話を読みます。それだけでなく、これは聖書の最後の歴史書でもあります。残っているのは、使徒たちからの手紙と黙示録です。
この書には少し不思議な終わり方があります。実は、この書には明確なエンディングがありません。
今日の箇所では、パウロはついにローマに到着し、そこにいるユダヤ人たちに福音を述べ伝え始めました。いつものように、福音を信じる人もいれば、信じない人もいました。
そして、あるユダヤ人たちがパウロのメッセージを拒絶すると、パウロは異邦人のもとへ行き、彼らに福音を述べ伝え始めました。
ルカは、この話をまとめると、こう言いました。
パウロは、まる二年間、自費で借りた家に住み、訪ねてくる人たちをみな迎えて、少しもはばかることなく、また妨げられることもなく、神の国を述べ伝え、
主イエス・キリストのことを教えた。(使徒の働き28:30-31)
あなたは、パウロがカエサルの前に立ったとき、何を言ったのか知りたいと思わないでしょうか。また、パウロの最後の日について聞きたいと思わないでしょうか。
私は聞きたいです。
けれども、ルカはそれらのことについて何も語りません。
むしろ、最後の場面では、パウロは人々に福音を述べ伝えています。
おしまい。
なぜ、ルカはこの書をそのように終えたのでしょうか。私には分かりません。
もしかすると、ルカはこう言いたかったのかもしれません。
「この話はまだ終わっていません。今なお、福音はこの世に広がり続けているのです。」
ある人々は、パウロの時代のユダヤ人たちのように、自らの目を閉じ、耳を塞ぎ、福音を拒絶します。
しかし、迫害があっても、外からの教会への攻撃があっても、内側からの教会への攻撃があっても、神様は教会を守り、福音は今なおこの世に広がり続けています。
そして、今、私たちはその物語の一部となっています。私たちは福音を聞き、信じるようになりました。
それだけでなく、パウロのように、私たちも自らの教会から遣わされ、聖霊様に満たされて、すべての国民に福音を述べ伝えるように呼ばれています。
あなたはどうでしょうか。
あなたは聖霊様に満たされているでしょうか。
聖霊様に満たされなければ、私たちは神様が命じたように福音を述べ伝える力を持つことはできません。
日本語では、この書は「使徒の働き」と呼ばれています。
けれども、この書の最初から最後まで、実際には聖霊様の働きについて描かれています。聖霊様はご自身の民を通して働いておられました。
だから、もう一度イエス様の言葉を読みましょう。
しかし、聖霊があなたがたの上に臨むとき、あなたがたは力を受けます。
そして、エルサレム、ユダヤとサマリアの全地、さらに地の果てまで、わたしの証人となります。(使徒の働き1:8)
私たちは聖霊様に満たされ、この世へ出て、2000年前に始まった物語を受け継ぎましょう。
